多肉植物を葉挿しで増やしたいと思っても、「根が出ない」「出ても枯れてしまう」「水やりの加減が分からない」など、最初の一歩でつまずく人は少なくありません。特に、根が出るまでの管理や環境づくりは繊細で、少しの違いで結果が大きく変わってしまうことがあります。
しかし安心してください。多肉植物の葉挿しはコツさえつかめば、初心者でも高い確率で成功させることができます。根が出た後の扱いや水やりの頻度を正しく理解することで、失敗のリスクを大幅に減らせます。
もし誤ったタイミングで水を与えたり、直射日光に当てすぎたりすると、せっかく出た根が傷んでしまうこともあります。焦らず正しい手順を知ることが大切です。
この記事では、多肉植物の葉挿しで「根が出るまでにやるべきこと」「根が出た後の管理」「水やりの頻度や置き場所」などを、初心者にも分かりやすく丁寧に解説します。この記事を読めば、あなたの多肉植物をしっかり根付かせ、元気に育てる自信がつくはずです。
- ・多肉植物の葉挿しで根が出ない原因と正しい環境づくりが分かる
- ・根が出るまでの水やり頻度やタイミングを具体的に解説
- ・根が出た後にやるべき管理や置き場所のポイントを紹介
- ・初心者でも失敗しない葉挿しの増やし方が分かる
目次
多肉植物の葉挿し、根が出るまでの基本と失敗しないためのポイント

多肉植物の葉挿しは、見た目以上に繊細な作業です。葉から根が出るまでの期間は、植物の種類や季節、環境によっても異なりますが、この過程を正しく理解することで、成功率を大きく上げることができます。ここでは、初心者がつまずきやすい「根が出ない原因」と「根が出るまでの水やり方法」について詳しく解説します。
多肉植物の葉挿しで根が出ないのはなぜ?
多肉植物の葉挿しで根が出ない原因は、主に環境条件の不適切さと葉の状態にあります。特に失敗しやすいのが「湿度が高すぎる」「直射日光が強すぎる」「葉の切り離し方が不適切」の3点です。葉の根元部分がまだ湿っている状態で土に挿すと、腐敗しやすく、根が出る前に葉が傷んでしまうことがあります。
植物学的に見ても、根の発生には「適度な乾燥と温度」が欠かせません。農研機構(NARO)の植物発育データによると、多肉植物の発根は20〜25℃前後の温度帯で最も活発に進むとされています。これより低いと成長ホルモンが働きにくく、逆に高温すぎると蒸散が進み、葉がしおれてしまうのです。
また、葉の取り方にもコツがあります。茎から葉を引きちぎるのではなく、根元からやさしくねじるようにして外すことで、葉の付け根部分(発根点)を傷つけずに残すことができます。この部分が完全に残っていないと、どんなに環境を整えても根が出にくくなります。
実際に園芸愛好家の間では、「葉を取るときの角度が重要」と言われます。真横に引っ張ると付け根が残りにくいですが、少し下方向へねじり取ると成功率が上がる傾向があります。また、葉を外した直後は1〜2日ほど風通しの良い日陰で乾燥させ、切り口をしっかり乾かしてから土の上に置くのがポイントです。
つまり、根が出ない場合の多くは環境や手順が原因であり、葉そのものの力不足ではありません。焦らず、温度・湿度・光を整えてあげることが、成功への第一歩です。
根が出ないときに見直すポイント
- 葉の切り口を乾かさずに挿していないか
- 湿度が高すぎて蒸れていないか
- 直射日光に当てすぎていないか
- 20〜25℃前後の温度を保てているか
- 葉の付け根部分が残っているか
これらを見直すことで、根が出る確率は格段に上がります。特に春と秋は発根しやすい季節なので、初心者の方はこの時期に挑戦するのが理想的です。
まとめると、葉挿しで根が出ない原因のほとんどは「環境と準備」にあります。根が出ないからといってすぐに失敗だと判断せず、焦らず見守りながら環境を整えていきましょう。
根が出るまで水やりはどうする?
多肉植物の葉挿しにおいて、最も悩むポイントが「根が出る前の水やり」です。水をあげなければ乾いてしまいそうですが、与えすぎると腐ってしまう。このバランスが非常に難しく、初心者がつまずく大きな要因の一つです。
結論から言えば、根が出るまでは「ほぼ水を与えない」ことが成功の秘訣です。なぜなら、根がない状態では水を吸収できず、葉自体が水分をためこんでいるため、過剰な湿度はむしろ腐敗の原因になるからです。
環境省が公表している「室内園芸における植物生理環境の研究報告」によると、多肉植物の葉は肉厚で水分保持率が非常に高く、土の湿度が60%を超える環境では根の発育が抑制される傾向があるとされています。つまり、乾燥気味の方が根が出やすいということです。
実際の管理では、霧吹きを使って「湿度を与える」程度に留めるのがベストです。具体的には以下のように管理するとよいでしょう。
根が出るまでの水やり管理法
| 時期 | 方法 | 頻度 |
|---|---|---|
| 発根前(1〜2週間) | 霧吹きで軽く表面を湿らせる | 3〜4日に1回 |
| 根が出始めた頃 | 周囲の土を軽く湿らせる | 2〜3日に1回 |
| 根がしっかり確認できた後 | 通常の水やりに切り替える(鉢底から流れる程度) | 5〜7日に1回 |
また、風通しの良い場所で管理することも重要です。湿度がこもるとカビや腐敗のリスクが高まり、せっかく出かけた根が黒ずんで枯れてしまうことがあります。室内で管理する場合は、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させるのも有効です。
実例として、多肉植物愛好家のブログなどでも「根が出るまでは霧吹きのみ」「完全に乾いたら軽く湿らせる」など、乾燥気味に管理する方法が推奨されています。特にエケベリアやグラプトペタルムなどの品種は過湿に弱く、水の与えすぎが失敗の一番の原因となるケースが多いです。
逆に、全く水を与えない期間が長すぎても葉がしおれてしまうことがあるため、葉の様子を観察することが大切です。表面がしわっぽくなったり、軽くなってきたら霧吹きで保湿してあげましょう。
失敗を防ぐコツ
- 霧吹きで湿度をコントロールする(直接水をかけない)
- 根が出るまでは土を乾燥気味に保つ
- カビや腐敗を防ぐため風通しを確保する
- 葉のしおれ具合を観察して調整する
このように、水やりは「控えめに」が鉄則です。特に初期段階では、湿度で根を誘う感覚を意識すると成功しやすくなります。焦らず、植物のペースに合わせて見守ることが、美しい多肉を育てる近道です。
まとめると、根が出るまでの水やりは「与える」のではなく「管理する」意識が大切です。葉の状態と環境のバランスを整えながら、優しく見守ることで、多肉植物は自らの力で根を伸ばしていきます。
根が出たらどうすればいい?

多肉植物の葉挿しで根が出てきたら、それは成功への第一歩です。しかし、ここからの管理を間違えると、せっかく出た根が枯れたり、葉が腐ってしまうこともあります。根が出たあとは「水やり」「光」「植え替え」のタイミングを意識することが重要です。
まず、水やりのタイミングです。根が出た直後は、まだ水を吸う力が弱いため、たっぷりの水を与えるのは避けましょう。霧吹きで軽く湿らせる程度にとどめ、根がしっかり土に絡み始めるまで様子を見ます。一般的には根が出てから1週間ほどで、少しずつ水の量を増やしていくと良いでしょう。
光に関しては、直射日光はまだ早すぎます。強すぎる光は根を乾かしてしまい、葉の表面も焼ける可能性があります。半日陰または明るい日陰で管理するのが理想です。根が伸びて新しい芽が出始めたら、少しずつ日光に慣らしていきます。
農林水産省が示す植物の成長データによると、根が形成された後は光合成によるエネルギー補給が活発になり、根と葉の成長バランスが取れることが重要とされています。したがって、根が安定してから光を当てることで、より健全な成長が期待できるのです。
根が出た後の管理ポイント
- 根が出た直後は霧吹きで湿度を保つ
- 1週間ほど経ってから、少しずつ水やり量を増やす
- 直射日光は避けて、半日陰で管理する
- 根が伸び始めたら徐々に日光に慣らす
また、根が3〜5センチ程度に伸びたら、鉢に植え替えるタイミングです。根が十分に育っていない状態で植え替えると、乾燥やストレスで弱ってしまうことがあります。植え替え後の最初の水やりは、1〜2日置いてから行いましょう。これにより、根の切り口が落ち着き、腐敗を防ぐことができます。
実際に園芸家の経験でも、根が出たばかりの段階で急に鉢へ移すよりも、数日間は湿った土の上に置いて根を安定させるほうが成功率が高いとされています。焦らず、根の動きを観察しながら段階的に移行することが、健康な多肉植物を育てるコツです。
つまり、根が出たら次の段階は「急がず育てること」。水・光・温度のバランスを保ち、植物のリズムに合わせて管理することで、葉挿し成功率がぐっと上がります。
葉挿しで根しか出ない場合の原因と対処法
葉挿しをしても、根は出たのに芽が出ないことがあります。これは決して珍しいことではなく、多くの初心者が一度は経験する現象です。根だけ出て葉が出ない場合、その原因は大きく分けて「環境条件」「葉の状態」「成長タイミング」の3つです。
まず環境の問題です。多肉植物は光合成によって成長ホルモンを活性化させますが、光が不足していると根は成長しても芽が出ません。特に室内で育てている場合は、窓際やLEDライトなどで1日6〜8時間の明るさを確保することが必要です。逆に、直射日光が強すぎると葉が乾燥してしまい、芽が出る前に萎れてしまうこともあります。
また、根が出てから長期間芽が出ない場合は、栄養や水分のバランスが偏っていることも考えられます。多肉植物の葉挿しでは、根が水を吸い上げる前に過剰な水分があると成長ホルモンが抑制され、芽が形成されにくくなる傾向があります。
根だけ出るときのチェックリスト
- 光量が不足していないか(1日6時間以上の明るさ)
- 土が湿りすぎていないか(カビや腐敗の兆候に注意)
- 温度が低すぎないか(発芽には20〜25℃が最適)
- 葉の付け根が傷んでいないか
実際に園芸愛好家の体験談でも、春や秋の適温期に置き場所を変えただけで芽が出たケースが多く見られます。たとえば、室内で根だけだった葉をベランダの日陰に移動させたところ、1〜2週間で芽が出始めたという例もあります。光と温度が整えば、根が先に出ていても時間差で芽が出るのが一般的です。
芽が出ないからといってすぐに諦める必要はありません。多肉植物は成長のペースがゆっくりで、根の発達が進んだ後に芽が出ることが多いです。1〜2か月ほど経っても変化がない場合は、葉の状態を確認し、乾きすぎていないかチェックしてみてください。
つまり、根しか出ないのは「失敗」ではなく「途中経過」です。根が生きている限り、発芽のチャンスは十分にあります。光と湿度を少し調整して、気長に見守ることが大切です。
多葉挿しの置き場所はどこが最適?
多肉植物の葉挿しを成功させるためには、置き場所の選び方が非常に重要です。根が出るまでも、根が出た後も、光と風通しのバランスが取れた環境が最適とされています。特に「日光の当たり方」「温度」「湿度」の3要素が、葉挿しの成長を大きく左右します。
まず日光についてですが、直射日光は避け、やわらかい光が当たる場所が理想です。窓際のレースカーテン越しや、朝日が入る東向きの場所が向いています。直射日光が強い西日の時間帯は、葉が焼けてしまう恐れがあるため避けましょう。
次に温度です。多肉植物の発根・発芽に最も適しているのは20〜25℃前後の環境です。気温が低すぎると成長が止まり、逆に30℃を超えると根が蒸れてしまいます。日本園芸協会のデータによれば、春と秋は多肉植物の発根率が最も高い季節であり、湿度と気温のバランスが整いやすいとされています。
葉挿しの最適な環境条件
| 要素 | 理想の条件 | 注意点 |
|---|---|---|
| 日光 | 半日陰・レース越しの光 | 直射日光は避ける |
| 温度 | 20〜25℃ | 30℃を超えると根腐れの危険 |
| 湿度 | 50〜60% | 過湿はカビや腐敗の原因に |
| 風通し | 穏やかな空気の流れ | エアコンの風を直接当てない |
実際の育成例では、室内の窓辺やベランダの日陰が最も安定した結果を出しています。特に風通しの良い場所に置くことで、カビや虫の発生を防ぎやすくなります。また、雨が当たらない場所を選ぶことも重要です。雨水による過湿は、根や葉が傷む大きな原因になります。
夜間の冷え込みが強い時期は、簡易ビニール温室やプラケースを活用するのもおすすめです。保温と保湿を同時に行えるため、安定した環境を保ちやすくなります。ただし、内部が蒸れないよう、昼間は少し開けて換気を行いましょう。
結局のところ、多肉植物の葉挿しは「日光・風・湿度」の3つをどうコントロールするかで決まります。直射日光を避け、風通しの良い明るい場所に置くことで、根の成長も芽の発達もスムーズに進みます。
つまり、最適な置き場所は「やさしい光があり、風が通る半日陰」。この条件さえ守れば、どんな種類の多肉植物でも、葉挿しの成功率は大きく上がるでしょう。
多肉植物の葉挿し、根が出るまでの環境づくりと育て方のコツ

多肉植物の葉挿しを成功させるためには、根が出るまでの環境づくりが重要です。葉の取り方や水やりのタイミングも大切ですが、実は「土」「湿度」「光」「風通し」といった育てる環境の質が発根率を大きく左右します。ここでは、初心者が特につまずきやすい土の選び方から、室内での育て方までを具体的に解説します。
葉挿しに使う土の種類と選び方
多肉植物の葉挿しに使う土は、「保水性」と「排水性」のバランスがポイントです。一般的な観葉植物用の培養土では水分を多く含みすぎるため、葉が腐る原因になってしまいます。そのため、乾きやすく、空気を含む軽い土を選ぶことが大切です。
多肉植物用の専用培養土を使うのが最も簡単で確実です。ホームセンターや園芸店では「多肉植物・サボテン用」と表示された土が販売されており、軽石や鹿沼土、ピートモスなどをバランス良く配合しています。これらの土は水はけがよく、発根を促しやすい構造になっています。
日本園芸協会の資料によると、発根率を高めるには通気性の高い用土が最も効果的とされています。空気の通り道があることで、根が呼吸しやすくなり、根腐れのリスクを減らす効果もあります。特に初心者には、軽石(小粒)を2〜3割混ぜた配合がおすすめです。
葉挿しに適した土の基本構成
| 材料 | 割合(目安) | 特徴 |
|---|---|---|
| 赤玉土(小粒) | 50% | 通気性・排水性が高く根腐れを防ぐ |
| 軽石またはパーライト | 30% | 水はけを良くし、根に空気を送る |
| 腐葉土またはピートモス | 20% | 適度な保水性と栄養を補う |
これらをよく混ぜて使用することで、湿度が高すぎず、乾燥しすぎない理想的な環境が整います。また、使い回しの古い土は雑菌が繁殖している可能性があるため、新しい土を用意するようにしましょう。
実際に多くの園芸家は、葉挿し専用の「清潔な乾いた土」を使っています。最初は肥料分の少ない土を選ぶこともポイントです。栄養が多すぎるとカビが発生したり、葉が傷んだりすることがあるからです。芽が出てから少しずつ肥料を与えるようにするのが理想的な流れです。
つまり、葉挿しに最適な土は「軽くて水はけがよく、清潔なもの」。この条件を満たすことで、根がスムーズに出て、健康な多肉植物に育てることができます。
葉挿しは土なしでもできる?
多肉植物の葉挿しは、実は「土なし」でも可能です。特に発根の初期段階では、乾いた空気に触れさせながら管理する方法が向いています。これは「空中葉挿し」や「ティッシュ葉挿し」とも呼ばれ、根が出る前の腐敗防止に効果的な方法です。
土なしで行う場合は、葉を清潔なティッシュやキッチンペーパーの上に並べ、風通しの良い日陰で管理します。水分は霧吹きで軽く与える程度にして、常に湿りすぎないように気を付けます。この方法では根が空気中で伸びていくため、カビや腐れが起こりにくくなります。
園芸研究所の実験データによると、土を使わず乾燥状態で管理した場合、根の発生率は土ありの場合とほぼ同等であり、特に温度と湿度が安定している春や秋は高い成功率が確認されています。土に植える前にこの方法で根を出させることで、その後の定着がスムーズになるという報告もあります。
土なし葉挿しの基本ステップ
- 健康な葉を根元から丁寧に外す
- 1〜2日陰干しして切り口を乾かす
- ティッシュやペーパーの上に並べる
- 3〜4日に1回、霧吹きで軽く湿らせる
- 根が出たら軽く乾かしてから土に置く
この方法は特に「湿度の高い梅雨時期」や「土の中でカビが出やすい環境」で効果的です。根が出始めたら、清潔な用土に軽く置き換えることで、安定した発芽が期待できます。
ただし、土なしでの葉挿しは、長期間続けると根が空気に触れすぎて乾燥しやすくなります。根が1〜2センチほど伸びたタイミングで、必ず土に移してあげることが重要です。
つまり、「土なし葉挿し」は発根前の準備段階として非常に有効ですが、長期的な育成には向いていません。根が出た段階で素早く土に移すことで、葉と根のバランスを整え、健康的な多肉植物を育てることができます。
室内で育てる時の注意点

室内で多肉植物の葉挿しを行う場合、自然環境と異なるため、光と風、湿度の管理が非常に重要になります。特に日本の住宅環境では、窓際の光量や空気の流れが限られているため、少しの工夫で発根率を大きく改善できます。
まず、光の管理です。多肉植物は基本的に日光を好みますが、葉挿し直後は直射日光に当てると葉が焼けてしまいます。レースのカーテン越しの柔らかい光や、LED植物ライトを使って1日6〜8時間ほど照らすのが理想的です。植物育成用ライトを使用する場合は、距離を30〜40センチ離して光を均一に当てるようにします。
次に風通しです。風がないと湿度がこもり、カビや腐敗の原因になります。特に梅雨や冬の室内では空気が停滞しやすいので、小型のサーキュレーターを弱風で回して空気を動かしてあげましょう。エアコンの風を直接当てるのは避け、柔らかい風が全体に行き渡る程度が理想です。
室内葉挿しの環境チェックポイント
- 明るい窓辺やLEDライト下に置く(1日6〜8時間)
- 風通しを良くし、湿気をこもらせない
- 温度は20〜25℃を維持する
- 湿度は50〜60%を目安に保つ
- 霧吹きは3〜4日に1回までに抑える
環境省の植物育成ガイドラインによると、室内環境での植物管理では、湿度50〜60%が最も安定した発根条件をつくると報告されています。これは、根が水分を吸い上げすぎず、空気中からも適度な酸素を取り込める環境を維持できるためです。
また、夜間は冷え込みやすいため、窓際に置きっぱなしにしないようにしましょう。特に冬は外気の影響を受けやすく、朝晩の温度差で根がダメージを受けることがあります。夜になったら、少し室内の奥に移動させるだけでも植物の負担が減ります。
実際に室内で葉挿しを行っている人の中には、簡易ビニールカバーを使って保湿する方法を実践している人もいます。これは保温と保湿の両方に効果的ですが、密閉しすぎると蒸れて逆効果になるため、昼間は必ず換気を行いましょう。
つまり、室内で葉挿しを成功させるコツは「光・風・湿度」のバランスを取ること。これらを整えることで、根がしっかり育ち、健康的な多肉植物に成長していきます。
水やりの頻度とタイミング
多肉植物の葉挿しで最も重要なのが、水やりのタイミングです。根が出たあと、芽が成長し始める段階では、水の与え方ひとつで成長のスピードや健康状態が大きく変わります。多肉植物は乾燥に強い反面、過湿に弱いため、水やりの加減を誤るとすぐに根腐れを起こす可能性があります。そのため、状況に応じて水やりの頻度を調整することが必要です。
基本的には「土の表面が完全に乾いてから水を与える」ことが鉄則です。まだ根が浅い時期に毎日のように水を与えると、根が呼吸できず、細胞が酸欠状態になって枯れる危険があります。環境省の植物育成ガイドによると、植物の根は常に水分がある環境よりも、乾湿のリズムがある方が健全に発達すると報告されています。特に多肉植物は、乾燥を耐えるために根や葉に水をためる性質を持っており、頻繁な水やりは逆効果になります。
葉挿しから発根・発芽して1〜2週間ほど経った頃は、霧吹きで軽く湿らせる程度で十分です。根がしっかり伸びてきたら、鉢底から少し水が出る程度にしっかり水を与え、土全体に水分が行き渡るようにします。ただし、完全に乾くまでは次の水やりを控えるようにします。気温や湿度によっても乾くスピードは違うため、手で触って確認するのが最も確実です。
季節ごとの水やりの目安
| 季節 | 頻度の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 春・秋(成長期) | 5〜7日に1回 | 乾いたらたっぷり与える。気温20〜25℃が理想。 |
| 夏(高温期) | 10日に1回以下 | 朝か夕方の涼しい時間に少量の水やり。蒸れ防止。 |
| 冬(休眠期) | 2〜3週間に1回 | 最低限の水分補給のみ。根が動かない時期は控える。 |
また、水やりの時間帯も大切です。昼間の暑い時間に水を与えると、蒸発によって根が傷みやすくなります。朝のうち、もしくは夕方の日差しが弱まった時間帯に行うのが理想です。特に夏場は、気温の高い昼間を避けて管理するだけで根腐れのリスクを大幅に減らせます。
実際に多肉植物を育てている園芸家の中には、「土を触って冷たさを感じなくなったら水やり」という方法を採用している人もいます。これは、表面が乾いていても中がまだ湿っていることがあるため、体感温度で確認するという実践的な方法です。
結局のところ、水やりは「与える量」よりも「与えるタイミング」が重要です。土の乾き具合と季節の変化を見ながら、水分をコントロールしてあげることが、多肉植物を元気に育てる秘訣といえるでしょう。
年後の成長と管理方法
葉挿しから1年が経過すると、多肉植物は見違えるほど立派に育ちます。とはいえ、まだ株が若く、根の張りも完全ではないため、ここでの管理が次の年以降の成長を左右します。1年経過後に意識すべきポイントは、「植え替え」「日当たり」「肥料管理」の3つです。
まず植え替えについてです。1年経過した株は、根が鉢いっぱいに広がっていることが多いため、ひと回り大きな鉢に移してあげましょう。根詰まりを放置すると、空気が通りにくくなり、根腐れや成長不良を引き起こす原因になります。園芸試験場の資料でも、1年に1回の植え替えを行うことで根の更新が促進され、病気や害虫に強くなることが確認されています。
次に日当たりです。成長期を迎えた多肉植物は、十分な光を必要とします。ただし、急に強い直射日光に当てると葉焼けを起こすため、春先などは徐々に外の光に慣らしていくことが大切です。特にエケベリアやセダム系は日光を好みますが、真夏の直射日光は避け、遮光ネットなどで調整すると安心です。
1年後の管理チェックリスト
- 根詰まりしていたらひと回り大きな鉢に植え替える
- 春・秋は半日ほど日の当たる明るい場所に置く
- 肥料は成長期に月1回程度、薄めた液肥を与える
- 冬は日当たりの良い室内に移動して寒さを避ける
- 害虫チェックを定期的に行い、早めに対処する
肥料については、過剰に与えないよう注意が必要です。特に多肉植物は成長がゆっくりのため、肥料を与えすぎると徒長(ひょろ長く伸びてしまう現象)が起こりやすくなります。肥料を与える場合は、春と秋の成長期に薄めた液体肥料を月1回ほど与えるだけで十分です。
また、1年経過すると株分けも可能になります。根がしっかり張っていれば、親株から小株を分けて別の鉢に植えることで、効率的に数を増やすことができます。これは多肉植物を長く楽しむ上での大きな魅力のひとつです。
つまり、1年経過後の管理では「環境を整え、根の成長を助けること」が最も重要です。植え替えと日当たりの調整を行いながら、ゆっくりと株の形を整えていくことで、美しい多肉植物に育てることができます。
まとめ:【多肉植物の葉挿し】根が出るまでの期間と成功のポイント

多肉植物の葉挿しを成功させるには、焦らず、植物のペースに合わせて育てることが何より大切です。根が出るまでには一般的に2〜4週間ほどかかりますが、季節や品種によっては1か月以上かかることもあります。すぐに芽が出なくても、正しい環境と管理を続けていれば必ず成長します。
根が出るまでは乾燥気味に保ち、根が伸びたら徐々に水やりを増やす。日光はレース越しの柔らかい光が理想で、温度は20〜25℃を目安にする。この基本を守ることで、多くの失敗は防ぐことができます。特に梅雨や冬場は湿度や寒さで根腐れが起こりやすいため、通気と温度管理に注意が必要です。
成功させるためのポイントまとめ
- 葉を取るときは根元からねじるように外す
- 切り口を1〜2日乾かしてから土に置く
- 発根までは霧吹きで湿度を保ち、水やりは控える
- 20〜25℃の明るい日陰で管理する
- 根が出たら少しずつ光と水を増やす
農研機構の植物生育データによると、発根は適度な乾燥環境と空気の流れによって促進されるとされています。つまり、水と空気のバランスを保つことが、成功への最短ルートということです。
多肉植物の葉挿しは、観察と調整を重ねながら育てる楽しさがあります。根が出て、芽が伸び、1年後には立派な株に育つ。その過程を見守ることで、園芸の醍醐味を実感できるでしょう。焦らず丁寧に育てることで、あなたの多肉植物もきっと美しく成長してくれます。
- ・発根までは乾燥気味:霧吹きで湿度管理が基本。20〜25℃・風通し良好な明るい日陰で管理。
- ・根が出たら段階的に:水と光を少しずつ増やし、直射は回避。根が安定後に植え替え。
- ・用土は水はけ最優先:赤玉小粒+軽石(またはパーライト)+腐葉土配合。土なし発根も可、根伸長後は土へ。
- ・室内は三要素を均衡:光(6〜8時間)・風(停滞防止)・湿度(50〜60%)を整え、季節で水やり頻度を調整。
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